はじめに
香りを学ぶ上で、必ず最初に出てくる”王道グループ”のひとつが「柑橘系」の香りです。
柑橘系は、レモン・グレープフルーツ・オレンジ・ゆずなど、誰もが食したことのある原料がほとんど。
なので、果皮をむいた時に広がるあのフレッシュでキリッとした酸味のある香りは、パッと想像しやすいですよね。
柑橘系の代表といえば、誰もが知っている「レモン」。
レモンに姿・形がそっくりなもので「ライム」がありますが、違いはなんでしょう?
食事からわかるレモンとライムの違い
一言で言うと、「汎用性」に違いがでます。
レモンの方がより万能型なんです。
例えば、レモン水ってありますが、ライム水ってあまり聞いたことがないですよね?
レモンは和食、洋食、イタリアンなどどんな料理にも登場する万能食材です。
お皿に添えられているレモンを少し絞るだけで、味に締まりが加わって油っこさも抑えられますよね。
レモン水はレストランによく置いてありますが、水を邪魔せずレモンの酸味が良くマッチして飲みやすくなります。
対してライムは、メキシコ料理や飲み物で使われることが多く、コロナビールに絞ったり、カクテルには欠かせない果物です。
でも、レモンほど汎用性は高くありません。
これは、ライムに独特の苦味と香りがあるためです。
例えば、唐揚げにはレモンが添えられていますが、これがライムだと、ライム特有の爽やかで少し青っぽい香りと苦味が唐揚げの香りとぶつかり合ってしまいます。
上記のライム水も同様に、爽やかな香り付けはできるけど、少し苦味が気になる・・という味になると思います(やったことはないですが。。)
カクテルやビールにライムが合うのは、お酒特有の苦味とライムの苦味がマッチするため。
万能ではないけれど、この特有のライムの味がぴったりと合う料理に組み合わせることで、とても爽やかな香りを放ち、料理をより魅力的にします。
実は香水でも同じ
香水も同じで、レモンは様々な香水に使用されています。
それは料理と同じで、レモンの香りの汎用性が高いためです。
(香水作りで最も汎用性が高いシトラス香料はベルガモットなのですが、それはまた後ほどお話します)
レモンはキリッと抜けるような鋭い酸味が特徴の香料。
レモンが香水に入っていると、まず鼻を突き抜けるような爽やかなレモンの香り立ちを感じます。
それに対してライムは香水づくりに使用する機会が少なく、やはりこの独特の芳香に合う香料を探すのが難しいです。
しかし、コロナビールやカクテルのように、黄金の組み合わせを見つけると、何倍もの相乗効果を生み出し、とても良い香りになると考えられます。
実際に使われている香水は?
最後にレモンとライム、それぞれが香料として配合されている香水を紹介しますね。
ゲランのオーデフルール セドラはレモンのアクセントが弾けて、どこまでもフレッシュ。軽やかで透明感のある香りです。
日本で最も人気のあるシトラスの香水としてはドルチェ&ガッバーナのライトブルーがあげられますね。→洗練されたナチュラルな香り。フレッシュなレモンが清潔感を感じさせ、デリケートかつエレガントな香りへと変化していきます。
ライムが入っている代表的な香水ではジョーマローンのライム バジル&マンダリンでしょうか。爽やかなライムに、刺激的なバジルが加わったメンズライクな香りです。