強烈なシベットの香り
最近、うちの会社でも調香のワークショップやセミナーを行う機会が増えてきてます。
そのようなスクールでは、ベースの香りを決めて、そこに少しアクセントをつける動物系香料を活用して香りの制作を体験していく、という流れで教えているのですが、動物系香料の筆頭格としてよく登場するのが、シベットです。
シベットって何?という方がほとんどだと思いますが、シベットとは簡単にいうとジャコウネコの肛門近くを流れている分泌物から抽出した香料です。
詳しくはシベットが何かはこちらのコラムをご参考ください。
このシベットは単体で嗅ぐとものすごくクサいです。
衝撃的なレベルです。
はっきり言って、やばいです。
くさっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
という感じです。
で、このシベットの香りは男性の加齢臭を凝縮した香りに近いと考えています。
シベット単体の香りがしてくると、それだけで顔をしかめてしまうレベルなのですが、、、
そんなシベット、実は香水作成には欠かせない要素だったりします。
シベットの使い方
例えば、ジャスミンの香りにシベットをほんの一滴だけ加えたものと、ジャスミン単体の香りを比較すると、シベットを加えたものの方が、奥行きと柔らかさ、そしてなんとも言えない妖艶な魅力を感じさせるんですね。
ジャスミン単体だと、「良い香りだけど、なんかつまらない」という印象になりやすいんです。
この話に、僕はある種の加齢臭対策のヒントが隠れているように思います。
ある人の匂いを構成する中に加齢臭のようなアニマリックな要素が入っていたりする方が良いのではないか?
という事です。
つまり、シベットが使われているフレグランスを参考にすることで、加齢臭を味方につける事もできるのではないかな?
という事です。
シベットが使われている香水で有名なものだと、ゲランのシャリマー、シャネルのNo5、ジバンシーのジェントルマンなどがあげられます。
シベット系の香水はどちらかというとボディがしっかりとした重みを感じるような香りになります。
シベットはセクシーさや官能性を増加させる深みのある香料になるので、オリエンタル系の香りや甘い香りと合わせていくと相性が良いです。
ムスク、パチュリ、アンバー、レザー、ウッディ、バニラなどでしょうか。
フレグランスプロデューサーとして、様々な男性を見てきましたが、確かに、加齢臭世代でありながらモテている男性はこういう香りを付けている方がすごく多いように思いますね。
一般的には忌み嫌われている加齢臭ですが、使い方次第ではあなたをワンランク上のセクシーな男性に変貌させる可能性があるんだから、不思議ですよね。
モテる秘訣は爽やかさとセクシーさ
僕はレイヤードフレグランスというブランドを手掛けていますが、このブランドでは「第一印象は爽やかに、第二印象はセクシーに」というのを提案しています。
第一印象は、どちらかというとシトラスやフルーティなどで清潔感溢れる若々しい印象を演出する。これはジャケットやコートなどに香りを付けることで有効です。
第二印象は体に直接、ムスクや少しスパイシーな香りを付けることで、近づいた時にセクシーな雰囲気を伝えていく。
実は、このコンセプト自体、自分の知りうるモテる香りの法則をそのまんま応用したんですね。
爽やかな香りはサラッとした、良い印象を演出するのには最適なのですが、近づいた時、抱きしめあった時に、あんまり女性からの評判が良くなくて。
いや、評判が良くないというか、何も感じてないっぽいんですよね。
でも、ムスクだったり、ちょっとスパイシーな香りを体に纏っていると、「あ、凄くよい匂いがする♡ 落ち着く♡」なんて言われちゃったりして。笑
この辺は他のコラムでも似たような内容を書いているのでぜひ見てみてください。
芳醇な赤ワインが舌に香りを残すように、近づいた時に感じる色気には、根底にシベットのような特別な存在が必要なのかもしれない。
そう考えると、加齢臭も付き合い方次第なのかもしれないですね。